排ガス処理について

最終更新日: 公開日: 2026年03月

排ガス処理とは

工場では燃焼装置からの排煙や塗料などに含まれる有害物質、様々な臭気などが排出されています。
これらを無害化・無臭化するために有害物質や塵などを分離除去するのが排ガス処理になります。
様々な物質が排ガスには含まれているため、水や薬品、処理に必要なエネルギーを抑えながら廃棄物が少ない処理方法が求められています。
工場から排出される排ガスによる健康被害や環境破壊を防ぐため、大気汚染防止法や悪臭防止法によって規制基準が定められています。
操業する企業はそれらをクリアするために処理工程を見直し、スクラバーなどの排ガス処理装置排ガス洗浄装置)を設置するといった適切な対策をしなければなりません。
昨今のSDGsの潮流なども踏まえ、法規制をクリアするだけでなく自主規制を設けて、より前向きな排ガス処理対策を実施しているケースも見受けられます。
こうした取り組みは工場内の生産性向上や職場環境改善といった目に見える良い効果に繋がるため積極的に推奨されています。

問題となる物質とその影響

【有害大気汚染物質】
有害大気汚染物質とは、大気中に存在し人体に悪影響を及ぼす物質の総称を指します。
窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)をはじめ、光化学オキシダント(Ox)や粒子状物質(PM)なども含まれます。
窒素酸化物(NOx)とは物が高温で燃えた際に空気中の窒素と酸素が結びついて発生する物質で、工場や火力発電所、自動車、家庭など多様な発生源があります。
呼吸器系の器官に影響を及ぼすため、咽頭や気管支、肺などの病気になるリスクがあります。
硫黄酸化物(SOx)は気管支炎や喘息・酸性雨の原因と言われており、石油や石炭などの化石燃料が燃える際に発生する有害物質です。
光化学オキシダント(Ox)は光化学スモッグの原因になり、目の痛みや吐き気、頭痛などを引き起こす危険性があります。
工場などの煙から出るばいじんや、鉱物の堆積場などから発生する粉じんに含まれる粒子状物質(PM)は呼吸器疾患やガンの原因になる可能性があります。
【VOC(揮発性有機化合物)ガス】
VOCとはVolatile Organic Compoundの頭文字をとったもので、日本語では揮発性有機化合物と表記します。
塗料や接着剤、ガソリンなど工業と深く関わりのある資材に含まれるトルエンやキシレン、酢酸エチルといった物質が排ガスに含まれていると、大気の光化学反応によって光化学スモッグが発生する恐れがあります。
さらに施設などで使用されていた場合は、シックハウス症候群や化学物質過敏症の原因にもなる可能性があります。
【ミスト】
ミストは主にスプレーノズルから発生するものだけでなく、ガスに含まれる粉塵や埃など他の物質と同伴して発生します。
クロム酸ミストや硫酸ミストは腐食性が強く光化学スモッグを引き起こす物質にもなります。
また、工場内の機械加工工程などで発生する微粒子や熱によって引き起こされるオイルミストは、作業員の健康状態や製品の歩留まりを悪化させる原因になります。そのため正しく処理することが求められます。
【白煙】
白煙は水蒸気が煙突から大気中に放出された時の温度と湿度の条件により発生します。
ただ、化学工場などにおける白煙には水蒸気白煙と違い、除去すべき化学物質の成分が含まれていることがあります。この場合は屋内設備だけでなく環境にも悪影響を及ぼします。
白煙の原因となるのは極微細なミストです。温度降下によって過飽和ガス成分が凝縮する場合や、複数の気体の化学反応によって蒸気分圧が低い場合もあるため、スクラバーでの除去ではなく白煙除去装置の導入が必要になります。
【臭気】
工場などの事業所から排出する悪臭について規制する法律は悪臭防止法です。
その中で、特定悪臭物質として指定されているものは以下の22物質になります。
アンモニア、メチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチル、トリメチルアミン、二硫化メチル、アセトアルデヒド、スチレン、プロピオン酸, ノルマル酪酸, ノルマル吉草酸、イソ吉草酸、プロピオンアルデヒド、ノルマルブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ノルマルバレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、イソブタノール、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン
上記に加えて、いい香りとされる臭いであっても臭気指数が高いと規制対象となります。
臭気対策をする場合、所在地の自治体における規制基準を確認し、その基準をクリアするための装置を設置する必要があります。

 

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